滋賀旭
という、挑戦。
という、挑戦。
八十年前、祖父が育てていた、
在来種「滋賀旭」。
この土地ならではのお米を
復活させたい。
農業家としてのロマンと
歴史を未来へつなぐ挑戦を
令和三年、三〇グラム
ひと握りの種からはじめます。
– 後編 –
未来へバトンを渡すために。
豊かな田園風景を守り、受け継ぐための選択
農業を通して心やすらぐ田園風景をつくること、未来の子ども達に誇りを持って受け継げる仕事をすること、この二つが、わたしが農業を営む上で大切にしていることです。感染症の流行などで精神的なストレスや閉塞感を感じることが多くなった現代において、自然豊かな田園風景は心にやすらぎを与えてくれます。
田んぼに入って生き物と遊び、お米が育っているのを見て、自分もその循環の中にいることを感じれば、教科書や授業で習わずとも環境への意識や感覚は芽生えてくるのではないでしょうか。
次の世代の未来のために、農家だからこそできる緑や生き物との接点を作りたいと考えています。
また、お米の家倉では、植物の力で土を肥やす“緑肥”にも取り組んでいます。これは稲刈りが終わった田んぼで植物を栽培し、そのまま土にすき込むことで土を肥やす方法です。
化成肥料は、原材料を輸入に頼り、製造工程では大量のエネルギーを使って作られている上に、作物に吸収されなかった分は水に溶けて川や海を汚染します。わたしたちは化成肥料の使用を削減する一つの方法として緑肥の活用を進め、持続可能な農業を目指しています。
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